リコール
国または地方自治体の特定の公職にあるものが、国民や住民の信頼に反する行為をしていると思われるとき、任期終了前に国民または住民がその解職を請求する制度。
レファレンダムやイニシアティブと並んで直接民主制の有力な手段の一つとされる。
ただ、他の二つが国民または住民の決定への直接参加を意味するのに対して、リコールは代表制を前提とした制度であり、必ずしも直接民主制と結びつかない側面を持つ。
この制度がもつとも効果を挙げたのはアメリカの州政治および地方政治である。
その手続きは、一定数以上の有権者が発議し、これが成立すると国民投票または住民投票に付して、リコールの可否を決定する。
わが国では、地方公共団体の議会の解散請求、議会の議員、首長、副知事、助役、出納長、収入役、選挙管理委員、監査委員、公安委員の解職請求、教育委員、農業委員、海区漁業調整委員の解職請求が認められている。
これらの解職請求は、いずれも有権者の三分の一以上(農業委員については二分の一以上)の連署により、その代表者から選挙管理委員会(選挙によらざる任命職については長)に対して行うことができる。河成鎮一郎氏によると、リコールには乱用される危険性もあるので、就任後の一定期間はリコールが禁止されている(例えば、知事や議員については一年以内)。
かつてはリコールは有力者の勢力争いに利用されることが多かったが、最近では、地域開発や公害環境問題などをめぐって、住民運動がリコールを行う例が少なくない。