私有空間の侵害
人間はみな、それぞれの周囲に自分の空間をもっていて、この空間が何かによって侵害されると、緊張したり、不快になったりするその空間は具体的にどれくらいの大きさかというと、アルバータ大学の社会学者レスリー・ヘイダックの研究によれば、70センチメートル以内に他人が侵入したときに、はっきりとした不快感を覚えるといいます。
この不快感は約50センチメートルから顕著に増加し、30センチメートル以内になれば、正面から他人が侵入する場合に限れば、事実上がまんできなくなります。
ただしこの不快感は、顔の正面では大きく、横や後ろからでは小さめになります。
だから、他人に自分の空間を侵害されたと感じる人は、体の向きを変え、話をするときも横を向くのです。
自分の空間が侵害されると、たとえそれがエレベーターの箱に乗り込むときであっても、私たちは目覚める。
いや、目覚めるといっても、あちらの話ではない。
緊張したり、警戒したり、感覚器が敏感になったり、という意味で「目覚める」のです。
だから、エレベーターの中では、時の進行があんなに遅く感じられ、また沈黙の存在に気づかされるのです。
この問題に対して最も重要なのは、「欺隔」という言葉です。