娯楽作品の図式
クームズは、悪役の存在を、純粋な悪でもサディズムでもドラマ展開の必然でもなく、「個人の自由」という西欧的価値観の否定なのだと説明しています。
「お決まりのなぶり殺し」のポイントは、悪人がヒーローを殺そうとすることでもなく、その肉体に責め苦を与えることですらない。
ヒーローから自由とみずからの命を管理する権利を奪うことがポイントなのだといいます。
「悪人たちが人々を服従させ、支配下におきたいと望む一方で、ヒーローは人々を解放して、自由にさせたいと願う」。
これが、娯楽作品の図式だ、とクームズはいいます。
こうして、この世に全体主義が存在する限り、犠牲者にジワジワと死を与えたがる悪人が存在するのです。