ぶらぶらお散歩 3
地元八王子で十数代も続いた農家の一人息子であった村内氏の生いたちがそのまま、バルビゾン村で緑と自然を愛し、大地を描き続けたミレーたち一派の世界と重なったのであろうか。
このミレーも、青年時代には肖像画家として活躍していた。
この美術館がニューヨークのオークションで、五五万ドルで落札したという「鏡の前のアントワネット・エベール」は、その頃の代表作である。
この作品をはじめ、ここには、ミレーだけでも二十数点ある。
バルビゾン派と同時代のクールベから、モネ、ルノワールなど印象派の秀作もある。
「特にコロー、クールベの作品は質量ともに、うちのはレベルが高いですよ。小さくても内容ではピリッと辛い、ピリ辛美術館ですな」と村内氏は笑う。
クラシック音楽が静かに流れる落ちついた雰囲気の中で、ゆっくりと作品鑑賞したあと、わきにある小さな休憩室でコーヒーのサービスが受けられるのもうれしい。