ぶらりお散歩 2
一九二一年の第三回帝展に出品した「涼しきひま」で特選、一九三〇年の「弟妹集う」では、当時の最高賞である帝国美術院賞を受賞している。
中村研一が留学した頃のフランスは、エコール・ド・パリ華やかな時代だが、彼が選んだのはアスランの地味な作風であった。
堅牢な技と描写力を学んで帰国した中村研一のデッサン力は、戦争記録画に存分に発揮された。
一九九一年夏に開かれた素描展に「コタ・バル」が展示されたが、羽根ペンと墨を使って描かれた素描は、的確なデッサンがいっそう戦争の残酷さを表現していて哀しかった。
「コタ・バル」の油絵は現在東京国立近代美術館にある。